販売奨励金の取り扱い

雑貨品等の卸売業を営む企業様から、取引先に金銭で支払った販売奨励金の処理に関して時々ご相談を受けます。

法人税法上は販売管理費として計上することになるのですが、問題は消費税の取り扱いです。

課税売上につき、返品や値引きが発生した場合には、課税標準額は返品や値引高を控除する前の総売上高ベースで計算し、返品や値引高に対する消費税は、「売上げに係る対価の返還等」に該当します。ここで、税額控除ができるのは、課税売上に対する返品や値引きだけでなく、金銭による割戻金、販売奨励金も対象となります。

したがって、取引先に支払った販売奨励金は課税仕入ではなく、課税売上高のマイナス項目として税額控除の対象にするとともに、課税売上割合の計算上、課税売上高から控除することとなります。

また、課税仕入につき、返品や値引きが発生した場合には、その返品や値引き高に対する消費税は課税仕入れ等の税額からマイナスすることとされています。

実務上、消費税の課税区分にあたっては、勘定科目による判断に偏りがちになってしまいますので、留意が必要です。

一方、購入した課税物品を取引先に進呈し、販売促進費として処理した場合には、金銭による販売奨励金ではないので「売上げに係る対価の返還等」には該当せず、対価性のない取引として消費税の課税の対象となりません。

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梅谷